Mikimemo

個人的な技術・開発メモやポエム

息子が生まれた技術ポエム

先月第一子が産まれました。それに伴い会社の方も育休を取らせてもらっています。

そして本日3/1はCTO就任から1年の節目でもあります。実際はお休み入って11ヶ月間の業務ということになりましたが、1年間取り組んだこと等に関しては育休復帰後に会社ブログなどで振り返り・紹介できればと思っています。

そんなこともあり、今まであんまりポエミィなことは書いて来ませんでしたが今日は記事にしてみます。あんま脈略がない自分語りが多めです。

育休について

まず、育休はとってよかったと感じています。というより、ここ3週間、都内で自分と妻の2人での育児オペレーションで育休取らないと回らなかったと思います。専用の時間を確保できたことで育児・家事にかなり集中できたと思います。

再度ですが協力いただいているチームメンバーに感謝です。うちの会社は育休の取得に関してすごい前向きでとてもありがたかったです。

育児もオーナーシップが大事だなと。自分一人でワンオペするとしたらどうすべきなのか、調乳の方法・原理、沐浴の方法、ミルクの量の意思決定を一人で下せるのかなど、生まれる前や、無事生まれたあと、深夜番の隙間に教本とかYouTubeとか調べて、Try&Errorしてました。この期間は、そういう育児ナレッジ・技法習得するために時間をたっぷり使えてました。世の中の夫は産後の妻にむしろやり方や情報を教えるくらいの意識でいるのがちょうどいいんじゃないかなとも思いました。

単純な育児作業だけでなく、病院や区役所手続、両親が家にくるなど結構バタバタするので、その辺りゆったりと時間使えたのはよかったです。

育休時間の+α

育休に入って多少身の回りのことや自分のことを整理するきっかけになりました。ある意味、大学院から社会人とにかく走ってきたという感じで、やりたいこととか、調べたいこととかができずフラストレーションが溜まっていたんですが、逆にちょっとした待ち時間や隙間時間で消化できているのでは?という感じです。今回のポエム記事もその一環です。

まぁ、もともと面倒くさがりで休日YouTubeNetflixで消費することも多かったんですが、やっぱり会社のマインドシェアが高く、退勤後や休日も、あの課題にはどう対処しようかなとか、あの案件の確認を月曜の朝イチでしようとか考えているんですよね。一旦そこから離れられていると思います。

こういうことをするぐらいには、まだ余裕はあります(今後はわからないが...)

頭パンパンな状態で何か進めるより、一旦落ち着いていろいろ考えてみるというのは良いなと思ってます。

自分とエンジニアリング、ここ10年

自分は大学院では音楽情報処理という分野を研究していて、音響解析とか、データマイニングとか、クラスタリングとか、まぁそういうことをしてました。そこの研究でウェブの技術を使ってああ面白いなと思い、Web的な業界に入りました。

当時はWebブラウザソーシャルゲーム全盛かつスマホへの移行が始まったばかりで、自分はもともとiアプリのゲームを個人開発していたり、研究でiOSネイティブアプリを開発したりしていたこともあり、ゲームxモバイルの業務を担当していく中でゲーム業界・ゲームエンジニアという道やキャリアを歩むことになりました。ただし、ゲーム開発一編というより、その出自から(エンターテインメント)サービスや事業をやりたいというのが根底にあります。

その中でも大きかったのはUnityとの出会いです。たまたまCEDEC2011のUnityセッション(高橋啓治郎さんの)をみて、会社でそれに取り組むことになって、3Dグラフィックスなんて右も左もわからないまま調査して、プロダクトを作ってみたいな感じでした。

そうこうしているうちにいつの間にか会社でもUnityに詳しい人になってて、商業誌でこちらの「Unity5 3D/2Dゲーム開発 実践入門」を書きました。実は重版が8回もされて、多くの方にご贔屓いただいたのはとても嬉しかったです。

www.socym.co.jp

その後も、Unityのバージョンに伴い手順やトピックに追従する改訂を続けています。↓↓↓

Amazon.co.jp: 吉谷 幹人: 本

本に関しては、新卒の時に自分のエンジニアとしてのマイルストーンとして「何かのスペシャリスト・第一人者になって本を書く」と言ったことを当時の上司の方が聞いてくださっていたみたいで、執筆のお話をいただきました。なので、若いエンジニアの方はそういう目標とかを常々言っていると良いのではないかなと思います。

で、UnityをやりつつRailsでのバックエンドやりつつ、テックリードとしてPMっぽいことやEMっぽいことももやりつつ、徐々に見る範囲・影響を出すべきスコープが大きくなって、今はCTOというロールを頑張ってます。

今の自分と成長・危機感

ここ数年、確かに自分も成長してます。ただ純粋に技術を極めるという感じの成長感ではないです。やはり最近だと、組織マネジメントや課題解決、経営・ビジネス的な視点、プロジェクトマネジメント手法、チームとしての技術の強み作り...とかの面で視野や影響範囲が広がったなというかんじです。どうやったら上手くいくのか、組織として継続性を持たせられるのか、組織としてのゴール・ミッションを達成するためのあらゆる方法を技術的な観点踏まえて実行していくという考えが第一に走ります。

いろいろなタイプの技術リードがいると思いますが、その中でもマネージャーなどのジェネラリストっぽいキャリアと、技術にコミットしていくスペシャリストっぽいキャリアと大分されることが多いと思います。EMなどの組織マネジメントをする人がVPoEに、スペシャリストがCTOみたいな感じっぽく見えますが、そんなこともないように思います。

CTOとしては組織も技術もマネジメントもするし、ある意味、スペシャリストの中のジェネラリストみたいな感覚があります。インディビジュアルコントリビューター寄りの、技術で組織引っ張ってくタイプの方もいらっしゃるのかもしれませんが、少なくとも自分は、超技術特化タイプというよりは幅広タイプという感じがします。

やはり、組織全体をを見ていく中でクライアントもサーバーもインフラも設計も技術選定もAccountabilityを持つということで意思決定や結果を説明できる状態じゃないといけない。技術詳細や実行は委任するにしろ、少なくともその技術領域がどういうものかを理解する必要があり、そう言った点でも幅広さはあっても浅い感じになってます。

この、成長はしているが、純粋な技術者として相対的に浅くなっているということが、やはり自分としての危機感です。

今後の10年は

自分はもともと職人タイプのエンジニアで、完璧主義・仕事は技術と成果で語る的なフシがあり、アピるのが結構苦手です。無口なラーメンの店主タイプ。なにか作ること自体が好きでそこで満足しちゃうとこもあります。嫁になんかやったんなら発信しなさい!!とよく怒られます。

ただ、会社とか関係なく一人のエンジニアとして、今後発信していかんといけんし、そこのマインドを変えていかないといけない。

それと、マネジメント的な知識、スキル、経験、幅広さは今後も強めていくとして、純粋な技術的な強みを少なくともあと2軸は持たないとやっていけない気がしてます。今Unityとか設計はまぁそれなりにできますよ、と人に言えるけど、これをあと2つぐらい作りたい。

最近やっぱり目の前の課題解決に集中していたので、インプットが圧倒的に足りないないなと思っています。今後は自分だけの時間なんてもっと減ると思うけど上手くバランスと取っていきたいです。

*さっき妻に1周年記念花束もらいました。サンクス〜!